利用者の立場に立った自動車の登録行政を展開
自動車交通局技術安全部管理課長 岸本 邦夫
 
新年あけましておめでとうございます。
 平成13年度を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 最近の我が国の経済情勢は依然として厳しいものがありますが、バブル経済の崩壊以来の状況からは改善の兆しも見えつつあり、昨年の登録自動車の新車販売台数は依然低調ながら対前年同月を上回る月もあるなど、回復傾向もうかがえます。21世紀を迎え、経済の本格的回復と自動車需要の拡大を望みたいと思います。一方、自動車の保有台数につきましては、平成12年6月末には7500万台と登録検査業務の電算システム化が行われた昭和45年当時の約4.5倍を越える状況となり、さらに増加の傾向にあります。
 こうした中で、自動車の登録業務は、「安全と環境」をはじめとした自動車に関連するあらゆる行政の基盤として、また、自動車に関する権利の保護及び円滑な流通を確保していくうえで大きな役割を担っております。登録関係業務の遂行にあたっては、このような自動車の登録の役割を踏まえながら、国民生活に密着した行政を展開していきたいところでありますが、新たな社会的要請、国民のニーズに対応し、より一層利用者の立場に立った自動車登録行政を展開していきたいと考えております。
 行政改革において、運輸省は国土交通省として新たにスタートいたしますが、引き続き自動車の登録・流通に関する諸施策を鋭意推進していく所存であり、以下に、当面する諸課題などにつき若干申し述べたいと思います。

一 登録制度の改善、サービス向上
(一)申請者負担の軽減、ユーザーサービスの向上
 政府においては、自動車の検査登録申請などの自動車保有関係手続きについて、申請者負担の軽減を図る等の観点から、ワンストップサービスの実現に向けた取り組みを行っています。昨年4月、政府決定に基づき「自動車保有関係手続きのワンストップサービス推進関係省庁連絡会議」を設置したところであり、国土交通省を中心として手続きの電子化などの検討を進めてまいります。
 また、遠隔地のユーザーが各種登録申請を行う際の時間的・経済的負担の軽減を図るため、登録官が現地に赴き移動端末機器により申請の処理を行う出張登録の拡充を図りたいと考えております。
 さらに、近年ユーザー自身の登録が増加している状況にかんがみ、電話・ファックスによる問合せを自動化したアンサーシステムを全陸運支局などへ導入するとともに、簡単な画面操作による案内機能の充実を図る等一層の申請者利便の向上に努めたいと思います。
(二)ナンバープレートの活用方策等
 社会ニーズの高度化や国民の価値観の多様化に対応した自動車登録行政の展開が求められる中、昨年7月に「ナンバープレートの活用方策などに関する懇談会」から今後のナンバープレートのあり方等の検討結果を取りまとめいただいたところであり、これらの意見を踏まえ、ユーザーが希望する番号を付与する希望ナンバー制のサービスの充実、ナンバープレートに登録情報等に記録してITS(高度道路交通システム)に活用するシステムの構築など、今後ともユーザーニーズに的確に対応してまいります。
(三)電子情報処理システムの改善及び円滑な運用
 自動車検査登録制度を根底から支える自動車登録検査業務電子情報処理システムについては、これまで、自動車保有者両数の増大に対応し、円滑な登録検査事務を遂行できるようシステムの機能の改善を図ってまいりましたが、現行システムは平成8年以来のものであり、平成16年を目途に新しい時代の要請に対応したシステムとすべく検討を開始したところです。今後とも、トラブルのないよう適切な運用に努めるとともに、一層の行政サービスの向上を図るため改善に努めたいと思います。

二 自動車販売・流通の適正化など
 冒頭に申し上げましたように、新車販売台数などの回復の兆しは見えるものの、国内自動車市場の成熟化が進む中で、自動車販売業界の競争はなお厳しい物があると認識しております。また、中古自動車販売につきましては、販売台数が新車販売台数を越える月もあるなど、自動車の流通において極めて大きな役割を担っております。こうした状況に合って関係業界のはたす社会的使命を改めて認識していただき、販売の適正化、事務経営の効率化・健全化などに一層強力に取り組んでいただきたいと考えております。
 また、使用済みの自動車の適正な処理に関する問題については、関係団体の協力により廃車の処理・回収システムが実施されており、マニフェストの導入など、使用済み自動車のリサイクルの推進にご協力頂いております。こうした使用済みの自動車のリサイクルの問題については、自動車の不法投棄が大きな社会問題となっており、そのための対策強化が求められているというだけでなく、循環型社会の形成に向けた政府および国民の共通の課題として、これまで以上の精力的に取り組みが求められております。関係業界の皆様とともに、使用済み自動車の適性処理の徹底について積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしく御協力の程お願いいたします。
 以上、当面の課題について申し述べましたが、今後の自動車登録・流通行政の展開においては、関係諸団体におかれても国民のニーズや社会状況の変化に対して新たな対応をいただく必要性も高まるものと想定されます。皆様の一層のご支援とご協力をお願いいたしまして、私の新年のご挨拶とさせて頂きます。
 
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